歌声喫茶の伴奏の基本

なぜ歌声喫茶は生の伴奏なのかを考えたら本質が見えてきたよ

こんにちは!ひろせめぐみ( @megmeg0001)です。

めぐ
今回のテーマは、歌声喫茶での伴奏の一番大事なテーマです!

歌声喫茶の伴奏はピアノやアコーディオン、ギターなど、楽器での生伴奏ですね。

「カラオケの音源がこれだけ普及している今、なぜ、歌声喫茶は生の伴奏なのか

あなたはどう答えるでしょうか?

これはきっと伴奏者の数だけ答えがあります。ここでは、私が考える「なぜ、歌声喫茶は生の伴奏なのか」について書いていきます。

ちなみに、カラオケ音源でみんなで歌う企画もありますが、それは歌声喫茶でなく、「みんなで歌うカラオケ」のように呼ばれています。

[aside type="warning"]
この記事はカラオケを否定する記事ではありません。私自身カラオケも好きですし、どの街にもカラオケという気軽に歌える場所があるのは本当にいいことだと思っています。[/st-mybox]

歌う人に合わせることができる

生の伴奏にできて、カラオケにできないこと。それは「歌う人に合わせることができる」ということです。

合わせるとはどういうことなのか。わかりやすいところから順に説明していきますね。

歌の速さ

その時その人の、歌う速さに合わせることができる。これは最も重要なことではないでしょうか。

歌う人が持っているテンポ感、歌詞の区切りで行う呼吸、曲の盛り上がりや落ち着きに見られる揺らぎ…それに合わせることができるのは生伴奏の魅力です。

また、生伴奏だと、曲の一部分でテンポを落とすことも可能ですね!

これは、音楽療法の現場で使っていたテクニックですが、曲の中で早口になる部分は、さりげなーくテンポを落としていました


例:真赤な太陽

「真赤に燃えた太陽だから〜」 → 歌いやすいので原曲に近いテンポで

「激しい愛に焼けた素肌は〜」 → 音数が増えて早口になるので、さりげなーくテンポを落とす

気持ちよくテンポにのれて歌えたかは満足感にも関わるので、参加者の方を置いてけぼりにしていないか、意識してみてください!

歌う高さ(キー)

その場の状況で即座にキーを変えられると一番いいのですが、それはなかなか難しいですね。

でも、事前に準備できる時は、「このキーでみなさん歌えるかな?」と考えると思います。

今まで意識していなかった方は、自分の伴奏で自分で歌ってみましょう。その音の高さでみなさん歌っていますよー!

この「考える」ということも、機械にはできないことです。

私は、1曲でも3つくらいキーを準備しています。

例えば、「北国の春」は、G・A・B♭の3つのキーは常備して、どれで弾くか現場で決めています。(楽譜はすべてiPadに入れています

歌い出しをフライングしても合わせられる

本来は「歌う人がフライングしない前奏づくり」が大事です。歌の出だしがわかりづらい伴奏って、なんだか気持ちがもやっとしますね。

でも、声の大きい人が自信満々にフライングし歌い出して、みんながそれにつられて歌い出したら…私は、楽譜を無視してそれに合わせる時もあります。

それは「歌っている人に失敗経験をさせない」という私の考えからそうしています。これは、音楽療法の視点ではすごく大事な考え方です。

めぐ
それに、そういうハプニングがあるからこそ生きたライブという感じがします。

こういうことがあると、私は「お!そうきたか〜!」と、ある意味楽しんでしまいます(笑)

音を伸ばした後

曲の終わり近くで、音を充分に伸ばす時があります。


例:千の風になって

「あの大きな 空をーーーー 吹き渡っていますー」

この「をー」を伸ばす長さも、その時や歌う人で変わってくるんですよ。

めぐ
4拍くらいでさらっといくかもしれないし、6拍、あるいはたっぷり8拍くらい伸ばしたいかもしれない。

その時に最も気持ちよく歌える長さを、司会者と伴奏者は判断します。

結果、歌う方は「歌いきった!」という感覚を得ることができるのです。

これができるのも、生伴奏の魅力ですね!

歌う人が音楽に能動的になれる

ここまでお読みになった方は、あることに気がつかれたと思います。

それは「歌う人が音楽に受け身ではない」ということです。逆に言えば能動的になれるということ。

カラオケは、機械にまかせればいつのまにか音楽ができあがってしまいます。

一方で歌声喫茶は「歌う人・司会者・伴奏者、その時その場のみんなで音楽をつくっている」という感覚です。

音楽のコミュニケーション

歌う人と司会者と伴奏者、みんなが平等に音楽に対して能動的になれます

その中でお互いに「発信」する場面が生まれてきます

それは「私はこう歌いたい」という発信だったり、「歌っていて込み上げてきた思い」だったりします。その発信を受け取ることができるのは人だけです。

その時、言葉以外の「音楽のコミュニケーション」が成立します。

歌声喫茶はぶっつけ本番なので、正直いつもうまくいくとは限りません。

それでも、その場で音楽のコミュニケーションを重ねていくうちに、ある時みんなでつくった音楽が「しっくりくる」時があります

はじめて会った同士なのに、ひとつの音楽を全体で創りあげ共感できた喜びは何にも代えられません。

それはとても儚いものですが、他ではできない貴重な経験です。

まとめ

私も含めて歌声喫茶のファンになる方は、きっとこういう所に魅力を感じているのではと思っています。

冒頭の問い「なぜ、歌声喫茶は生の伴奏なのか」に対して、私の答えは「音楽のコミュニケーションだから」です。

また、歌声喫茶は音楽に限らずいろんな意味でコミュニケーションというのがキーワードになってくると思っています

そのあたりについても、今後、記事にしていけたらと考えています!

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ひろせ めぐみ

ひろせ めぐみ

歌声喫茶ともしびなどで伴奏しているピアニスト・アコーディオニスト。歌声喫茶とは、生の伴奏で司会者のリードのもとみんなで歌う飲食店です。 また、私個人の活動として地域で歌声喫茶をモチーフにした「居場所・出場所づくり」を行っています。 活動の中で得た学び・気づきをブログで公開。お客様も関わる人も、みんなが幸せになりながら社会全体が発展する歌声喫茶のあり方を模索しています。

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