こんにちは!うたごえ伴奏ピアニスト・音楽療法士の ひろせめぐみ( @megmeg0001) です。
歌声喫茶という、生の伴奏でみんなで歌うお店があります。
お店の他にも、最近は地域で「歌声喫茶形式」で開催される会やイベントが増えてきました。
歌声喫茶のステージは司会者・伴奏者でつくっていくのですが、今回は司会者をめざす方のための記事です。
関東を中心とした、あちこちの歌声喫茶で大人気の司会者、臼井克侑(うすいかつゆき)さんに「歌声喫茶での司会の極意」を教えていただきました!
ブログに掲載する許可もいただいたので、まとめたものをここで公開します!
歌声喫茶の司会者とは
まずは、歌声喫茶の司会者の役割を簡単に紹介しますね!3つあります。
①進行
ステージの進行をします。例えば、次に何の歌を歌うのか、また歌集のページ数の案内などです。
また曲目の進行だけでなく、間にトークを交えたり、お客様とコミュニケーションをとりながら進めていきます。
②選曲
お客様のリクエスト曲を中心に、どの歌を選ぶのか、またその順番を決めます。
③歌のリード
「みんなで歌う場」ではありますが、歌をリードする人も必要です。司会者は歌のリードもします。
時にはグイグイとリードし、時にはお客様に歌をまかせたり。歌唱力も含め、その判断をするのも司会者の役割です。
臼井克侑さん
今回お話を伺った臼井克侑さん(写真左)です。
臼井さんは、歌声喫茶歴は60年以上。地域のうたごえでは、25年以上司会をされている大先輩です。
私も臼井さんに出会って、多くのことを教えていただきました。いろんな場面で引っ張りあげてくださった恩人なんです。
2016年には、臼井さんの喜寿(77歳)のお祝いをしました。喜寿を迎えてもなお、現役で仕事をしながら歌声喫茶の司会をされています。
歌声喫茶トミをはじめ、様々なところで多い時は月20回以上司会をされている、ものすごい方なのです!
そんな引っ張りだこの臼井さん、人気の秘密は何なんだろう?と思いお話を伺いました。
司会の極意
いよいよここから臼井さんの「司会の極意」をご紹介します!
教えていただいたのはこの7つ!
- 共通の話題で場を温める
- 声のトーンにメリハリをつける
- 意図的に間をつくる
- 早口はやめる
- 目線を動かしながら話す
- みんなの口元を見る
- みんなを主役にする
それぞれ詳しく書いていきますね。
①共通の話題で場を温める
歌声喫茶のステージはトークを交えながら進めていきます。
臼井さんはまず、その場にいる「みんなの共通の話題」で場を温めていくそうです!
確かに臼井さんは、季節のお話だったり、最近ニュースなどで話題になっていることをよくお話されたりします。
一部の人にしかわからない話や、内輪のおしゃべりみたいになってしまうと、話がわからない方はさみしいですよね。
これは、長く続けている場ほど気をつけないといけないと思いました。
②声のトーンにメリハリをつける
臼井さんは、話す時に声のトーンにメリハリをつけるそう。
どういうことかと言うと、声の強弱や高低に変化をつけて、みんなを引きつけるそうです。
これは音楽も同じだ!メリハリ大事ですね。
書いた文書を棒読みするようなトークは頭に入ってこないけど、話し方にメリハリがついていると内容も伝わりやすいように思います。
③意図的に間をつくる
臼井さんは明るくて元気な司会が持ち味です。だけれど「時には間も必要」と話されていました。
特にみなさんから発言が出そうな時には、間をつくるよう気をつけているそうです。
確かに50名くらいまでの歌声喫茶の場だと、みなさんから発言が出たりすることも結構あります。
みなさんからの発言を受け止める「間」を意図的につくる。それによって臼井さんはみなさんを引き出しているのだと思いました。
私もこれすごく共感していて「沈黙を恐れない」ことを大事にしています。
「シーン」ってなっても焦らなくて大丈夫。むしろ、みなさんが気持ちを整えたり、思いをめぐらせる時間も必要と思っています。
④早口はやめる
これ私もよくやってしまうのですが、緊張すると焦って早口になってしまいます。
早口は聞きづらいですね。本当に強く意識しないと直らないので、ぜひ気をつけたいと思います。
②の「メリハリをつける」との合わせ技で改善していくといいのかなと思っています。
⑤目線を動かしながら話す
目線を動かしながら話す。これ、どういうことかと言うと「全体の人をくまなく見る」ということだそうです。
会場の右に座っている方も、左の方も、真ん中の方も、全体にもれなく目を配らせるそう。
「さみしい思いをする人をつくらないようにしている」とおっしゃっていました。
確かに、司会者が違う方ばかり見ていて、全くこっちを向いてくれないとさみしい気持ちになりますね。
ただ、臼井さんからひとつ注意がはいったのは「異性と目を合わせないようにしている」ともおっしゃっていました。
理由は、過去に目があったお客様に「私に気があるのかしら…?」と思われたことがあるからだそうです。
いやこれ、目を合わせただけでそう思われる臼井さんがすごいよ!臼井さん、めちゃくちゃモテる人に違いない…!
⑥歌っているみんなの口元を見る
臼井さんは、歌っている時にみんなの口を見ているそうです。口の動きから、みんなが歌っているかどうか判断するそう。
- 「この曲は知らない人の方が多そうだ」
- 「この曲は○○さん、歌っているかな?」
- 「あ、○○さんはこの曲は歌ってない、どんな歌だったら歌えるかな」
みんなと歌いながら、こんな風に考えているそう。
リクエストがなくても、みんなで歌えそうな歌をその場で挟みこんだり、それまで歌っていなかった人が歌えそうな歌を選んだりしながら、ステージを組み立てているそうです。
ただリクエストに応えるだけが司会者ではないのですよね。こういう配慮をしてくださるので、臼井さんの司会は人気なのだと思います。
この話は、臼井さんが運営・司会をしている歌声喫茶トミの記事にも載せていますので、合わせてご覧になってみてください!
[動画あり]歌声喫茶トミは歌うことが大大大好きな方が集う場です!(東京都新宿区西新宿)
こんにちは!うたごえ伴奏ピアニスト・音楽療法士の ひろせめぐみ( @megmeg0001)です。 いろんな地域のうたごえに出演・参加したレポートを書いています。 今回は、新宿にある歌声喫茶トミのレポー ...
⑦みんなを主役にする
これは、臼井さんが強調していました。
「自分が主役になってはいけない、みんなが主役なんだ。いかにみんなを主役にできるかが、歌声喫茶の司会者なんだ」と力強くお話くださったのが印象に残っています。
これ、歌声喫茶のいろんな場面で応用できる考え方ですよね!伴奏だってそうです。
誰だって本当は自分が主役になりたい。私も伴奏者なのに、ついその欲が出てしまう時があります。
「みんなを主役にする」ってできそうでできない。なかなか難しいことだと思いますが、これは忘れてはならないと私も改めて考えることができました。
まとめ
臼井さんの「司会の極意」を聞いて、もう勉強になりすぎました!また「やっぱりあちこちで臼井さんが大活躍されているのには訳があるんだな」と強く感じました。
もう一度こちらにまとめます。
- 共通の話題で場を温める
- 声のトーンにメリハリをつける
- 意図的に間をつくる
- 早口はやめる
- 目線を動かしながら話す
- みんなの口元を見る
- みんなを主役にする
これ歌声喫茶の司会だけじゃなくて、音楽療法でのプログラム進行にも応用できますね!
歌声喫茶と音楽療法の共通点をまとめた記事も過去に書きましたので、こちらもぜひご覧ください。 こんにちは!うたごえ伴奏ピアニスト・音楽療法士の ひろせめぐみ( @megmeg0001)です。 プロフィールにも書きましたが、私は音楽療法から歌声喫茶の世界に入りました。 歌声喫茶のように「生の伴奏 ...
音楽療法の仕事をしている方、学んでいる方が歌声喫茶ともしびを訪れた方がいい4つの理由。
今回、臼井さんに教えてもらったことを「私が独り占めするのはもったいなさすぎる!」と思って、初めて記事にしてみました。
先輩方の知恵も、こういう形でこのブログに集約していけたらいいなぁと思っています。