こんにちは!うたごえ伴奏ピアニスト・音楽療法士の ひろせめぐみ( @megmeg0001) です。
私は、歌声喫茶ともしびというところや、地域のうたごえ(=生の伴奏でみんなで歌う)の場でピアノ伴奏をしています。
過去には、高齢者施設や精神科病院で音楽療法としてピアノ伴奏をしていた時もありました。
伴奏するのは主に、昭和歌謡・フォークソング・童謡唱歌・外国の歌などです。
現場で伴奏をしながら学んだことの記録を「うたごえ伴奏法」と称してこのブログで公開しています。
今回は、うたごえ伴奏の小技!歌の音が高いところをピアノで誘導し、参加している方に「歌えた感」を感じていただく方法を書きました。
ピアノで音を誘導する
「冬景色」の曲を例にして説明します。冬になるとこの曲を歌うところも多いのではないでしょうか。
「冬景色」の音が一番高いところ
まずは、こちらの楽譜をご覧ください!
プラムレコードさんのダウンロードフリー楽譜
この曲の一番盛り上がるところは、楽譜3段目
「ただ水鳥の こえはして」
の「こ」のところですね。
曲の中でも一番音が高くて、いい感じのところです。
ここの部分で「歌えた!」と満足感を得ていただこうというのが、この記事のねらいです。
どのように弾くのか
私は、こういう時は、下の楽譜のように弾いています。
高い音に向かって、下から和音の音をしっかりならします。
「ミソドミー」とならすということですね!弾いた音はそのまま伸ばしますよ。
実際の音はこちらの動画でどうぞ。
この方法のいいところ
なぜこうすると、「歌えた感」が得られるのか。まとめてみました!
声を出す前に音のイメージができる
この場合、歌う人が出したい音は「ミ」の音ですね!
その前の「ミソド」の音がなった時点で「次はミの音がくる」と感覚的に行きやすくさせます。
なので、前の「ミソド」は歌よりほんの少し前にならしておき、頂点の「ミ」の音が歌にぴったり合うように弾きます。
これが「音を誘導する」ということです。
その音が出ていなくても歌えた感じがする
この場合、一番高い音は「ミ」です。これ高いですね。普段歌いなれていない人はこの音はきついでしょう。
高い声が出ないのが原因で「やっぱり私には歌を楽しむなんて無理だわ」と思っていただきたくないのです。
完全に参加者の歌におまかせだと、この部分は音が外れやすくなるんですよね。
だから、歌の高いところはガッツリ伴奏で音を鳴らして、みなさんの歌をフォローすることもテクニックのひとつです。
音を誘導することで、「ミ」の音を正確な音程で出せていなくても歌えた感覚を得ることができますし、「気持ちよく歌えた!」という満足感につながります。
キーを変える方法は、こちらの記事「音楽療法やうたごえの場で歌のキーを変える時に使った5つの方法」も参考にされてみてください。
息を吸う時間を確保できる
この歌を実際に歌ってみるとわかりますが、「ミ」の音の前に息つぎ(ブレス)が必要です。
「ただ水鳥の (ブレス) こえはして」
参加している方がこのブレスをしっかりとれるかどうか。気持ちよく歌うためにはめっちゃ大事です!!
「ミソドミー」とならすとき「ミソド」の間は歌は入れません。意図的にブレスの時間を確保しています。
音を誘導することで、皆さんのブレス後の歌い出しをそろえることもできます。
ベースで1拍目を誘導する方法も
ここまで参加している方に「歌えた感」を感じていただく方法を書きましたが、同じテクニックで、他の場面で応用できる方法もありますのでご紹介しますね。
歌声喫茶ともしびでの伴奏で、先輩ピアニストによく言われたのは「歌がバラバラになったら、1拍目でとにかくそろえるんだよ」ということ。
複雑な曲だったりすると、途中でお客様同士の歌がずれたりすることもあるんですね。
そんな時は、次のフレーズの1拍目で皆さんの歌がそろうように「ベース」で誘導しています。
1拍目のベースの音はとにかく強く弾いて目立たせます。このテクニックは、私はテンポが速い曲でよく使っています。
まとめ
今回は、現場で使えるうたごえ伴奏の小技を紹介しました!ぜひお試しくださいね。
今回、例として使用した「冬景色」を動画撮影してみました。鍵盤が見えるように上から撮りましたよー!
伴奏の参考にするもよし!歌声喫茶の感覚で一緒に歌ってもよし!の動画です。
歌う方のためにキーをFに下げ、フルコーラスの3番まで撮りました!
- 基本の弾き方(メロディあり)
- 基本の弾き方(メロディなし)
- ひろせめぐみの最近の弾き方
という順番で弾いています!