こんにちは!うたごえ伴奏ピアニスト・音楽療法士の ひろせめぐみ( @megmeg0001)です。
先日、あるセミナーに参加してきました。
データが語る「コミュニティ」と「つながり」の重要性
というセミナーです。
私は、2012年から地域で高齢の方を対象に「歌声喫茶形式の場(生の伴奏でみんなで歌う場)」をつくってきました。地域の「歌声喫茶コミュニティ」と言ってもいいかもしれません。
だから、コミュニティ運営はとても関心のあるテーマです。
この記事では、このセミナーに参加して学んだこと、自分の活動に引き寄せた考察、そして「これからのコミュニティの形」についてまとめました!
CRファクトリー様のコミュニティ白書2016
今回のセミナーは「CRファクトリー」というNPO団体のセミナーです。
CRファクトリーさんのめざしているビジョンはこちら。
すべての人が「居場所」と「仲間」を持って心豊かに生きる社会の実現
これを実現するために、コミュニティの研究や運営の支援、セミナーの開催などされています。
詳しくは、CRファクトリーさんのサイトをご覧になってみてください!
CRファクトリーさんは、コミュニティ研究の報告書として「コミュニティ白書2016」という冊子を作成し、販売されています。
チラ見せ。オールカラーでとっても見やすいです!
いやーこの冊子はすごいです!コミュニティ運営に関わるすべての人にぜひ読んで欲しい!!
ここから買えます!
「一家に一冊コミュニティ白書!」って勢いで、もう全力でオススメです!24ページなので、サクッと読めます。
私はこの冊子を手に入れてから、自信と確信を持って、地域で歌声喫茶コミュニティの運営ができるようになりました。
今回のセミナーは、CRファクトリーの代表、呉哲煥さんが、この「コミュニティ白書」の内容について直々に教えてくださるとのことで、すぐに参加を申し込んだのでした!
ここからは、セミナーで教えていただいたことで印象的だったことと、地域での歌声喫茶の活動に引き寄せた考察を書いていきます。
「つながり」と「コミュニティ」がもたらす様々な効果
つながりがあったり、コミュニティに所属することが、「健康・幸福・教育」に影響を与えるという話はとても衝撃的でした。
セミナーでも同様の内容に触れましたが、「コミュニティ白書2016」から引用して一部紹介します。
つながりと健康の関係
コミュニティ白書2016では、つながりと「健康」の関係に、以下のような研究結果が紹介されていました。
他人を信頼している国ほど「長寿国」
引用:コミュニティ白書2016(9ページ)
社会的に孤立している人は死亡率が高い
引用:コミュニティ白書2016(10ページ)
友人とよく会う人は死亡のリスクが低くなる
引用:コミュニティ白書2016(10ページ)
「孤独」は喫煙より身体に悪い
引用:コミュニティ白書2016(11ページ)
サロンに参加する人は2.5倍も健康
引用:コミュニティ白書2016(11ページ)
役割を担ってサークルに入ると“うつ”になりにくい
引用:コミュニティ白書2016(11ページ)
お見舞いに来る人の数で死亡率が変わる
引用:コミュニティ白書2016(12ページ)
つながりと健康が、こんなに深く関わっていると知って驚きました。
細かいデータや根拠はここでは割愛しますが、ぜひコミュニティ白書2016を買ってご覧になってみてください!
つながりと幸福の関係
つながりと幸福の関係についてもまとめられていました。
年収が増えても幸福度は上昇しない
引用:コミュニティ白書2016(13ページ)
信頼できる人がいることが幸福度を高める
引用:コミュニティ白書2016(14ページ)
友人同士で助け合うことが多い人は幸福度が高い
引用:コミュニティ白書2016(15ページ)
コミュニティを持つ人の幸福度は76.8%
引用:コミュニティ白書2016(15ページ)
これでも一部です。つながりがあることが、こんなにも幸福度に関わっているんですね!
考察
コミュニティとつながりがあることが、これほど健康や幸福に影響すること、それを裏づける根拠やデータもこれだけしっかり出ていることに驚きました。
また、同時に「『孤独』って怖いんだな」と感じました。
「年収が増えても幸福度は上昇しない」「お見舞いに来る人の数で死亡率が変わる」というところを見ると、「貧しさ」や「病気」よりも「孤独」のほうがよっぽど怖いことだと思います。
時代とともに変わっていくコミュニティの形
セミナーでは、日本でコミュニティの形がどう変わっていっているかもデータで学びました。
今の日本は「つながり」と「コミュニティ」が希薄になっている。よく聞くことですが、データで見ると説得力があります。
「つながり」と「コミュニティ」が希薄になっている日本
「コミュニティ白書2016」から引用して紹介します。
親戚・地域・職場でのつながりが希薄になった
引用:コミュニティ白書2016(5ページ)
おひとり様が多くなる社会
引用:コミュニティ白書2016(5ページ)
1人で住んでいる世帯が最も多くなった
引用:コミュニティ白書2016(6ページ)
「社会的孤立度」が先進国の中で最も高い日本
引用:コミュニティ白書2016(6ページ)
親戚との関係はより形式的に
引用:コミュニティ白書2016(7ページ)
近所づきあいや町内会・自治会への参加が弱まっている
引用:コミュニティ白書2016(7ページ)
細かいデータや根拠は「コミュニティ白書2016」にゆずりますが、健康や幸福に大きく関わっている「つながり」や「コミュニティ」がこれだけ希薄になっているのは、すごく寂しいことだと思うのです。
今までは自動的にコミュニティが与えられていた
CRファクトリーの呉さんが言っていたことで印象的だったのは「今までは自動的にコミュニティが与えられていた」ということです。
終身雇用が約束された会社、結婚して家庭をつくることが当たり前の時代、地域の町内会・自治会への参加…
データで見ると、これらの「自動的に与えられたコミュニティ」が希薄になっていることがわかります。
また、他の人から聞いて衝撃的だったのは「あちこちの老人会がなくなっている」ということ。
もう「コミュニティ」そのものが、どんどんなくなっているんですね。
そして、最近のニュースでショックだったのは「刑務所が楽しい」と言って再犯を繰り返す高齢者の話。
「話し相手がほしい」って理由で、刑務所にはいるために犯罪をおかす高齢者の話。
これって相当やばくない?高齢者のコミュニティ事情って今どうなってるのか、ますます気になってきた。
「刑務所が楽しい」出所後5年で6~7割が戻って来る高齢受刑者の実情 #ldnews https://t.co/dCD9D0xmRG
— ひろせめぐみ@歌声喫茶コミュニティ研究会メンバー募集中! (@megmeg0001) May 19, 2018
刑務所にいることが「つながり」を感じられる心の拠り所になっているのかな。この話を知ってすごく悲しくなりました。
これからの新しいコミュニティの形
コミュニティは自動的に与えられなくなってきた。でも、健康や幸福のためには「つながり」や「コミュニティ」は大きく関わっている。
これからの新しいコミュニティの形を模索していく必要がありそうです。
セミナーの中で「人間関係について、自らの趣味や嗜好に応じて自由に選ぶ時代が到来する」という話がありました。
「コミュニティを選ぶ」時代になっているのかもしれません。
「与えられたコミュニティ」が減っていく代わりに、選べることができる「新しいコミュニティ」がもっと増えていったらいいなと思うのです。
地域に歌声喫茶形式の場をつくるということ
「コミュニティ」の視点から、私が今活動している「歌声喫茶」について考えてみました。
「ひとりぼっちの青年をなくそう」これは今から約 50 年前に「歌声喫茶ともしび」が活動を広げるときに掲げたスローガンです。
いつの時代でも「みんなで歌う」ということが、孤独を解消するコミュニティを形成していたのだなと感じます。
当時の青年だった方は、今は高齢者とよばれる年代になりました。
地域の歌声喫茶形式の場は、地元の方が気軽に集える「コミュニティ」をつくることができます。また、人の声に包まれながら、心地よい感情の中で「つながり」を感じることができます。
私は、地域に「歌声喫茶コミュニティ」をつくることで、そこに参加した方の「健康と幸福」につなげられたらいいなという思いで活動しています。
まとめ
今回は「つながり」と「コミュニティ」があることの重要性を、地域で「歌声喫茶コミュニティ」をつくることに当てはめて考えてみました。
本当、良いコミュニティにいることって心の支えになりますよね。
実は、コミュニティをつくっている私自身が、ものすごく孤独を感じていた時期がありました。当時、一人で活動を始めたことに加え、同じことをしている人が周りにいなかったからです。
でも「歌声喫茶ともしび」というコミュニティに入れたことで、自分の居場所ができたことと、同じことをめざす人が身近にいることが、すごく支えになっています。
コミュニティの力を感じずにはいられません。
今、地域で求められているコミュニティを、今後も追究していきたいと思います。